牛ほほ肉のトマト(スーパー・マルツァーノ)煮込み、クスクス添え
めずらしくオーソドックスな料理名かな? なにしろ野菜がいちばん前にでてないんだから。でも、他に書きようがないんだからしょうがない。というか、「こだわり」も何にもないのである。それとも「スーパー・マルツァーノと牛ほほ肉の煮込み」? それなら原型が残ってないとちょっとよろしくないでしょう。
オーストの冷凍牛チーク約1kgにたいしてスーパー・マルツァーノ約15ヶ。お取引先様からすると噴飯モノの使用量かもしれない。が、ご安心ください。これはぜーんぶ「はねだし」。写真右側のがそうなんだけど、一部黒い丸がでているのがおわかりだろうか。これ、俗に言う「尻腐れ」、正確には石灰欠乏症という生理障害で、レタスや「エンダイブ」の葉先が黒く枯れたりトロけたりするのとおんなじ。
問題の部分をとり除けばもちろん食べられるわけなんだけど、放っておくとそこからカビや腐敗がはじまるから厄介なシロモノである。
そーゆーのでもいいから安く売れなんておっしゃらないでくださいね。なにしろこういうのは責任持てないんですから。とるときにはすでにカビがすこし発生していたりするんで、ご自分でとりに来てくださって、そこから先はすべて自己責任ということならはなしは別かもしれませんが。それに、こういう「はねだし」を食べて生きてるんですから、これまで売っちゃったら食べるものがなくなっちゃうんですよ、オスカー・ワイルドの「幸福の王子」(アンデルセンじゃないですよ、念のため)じゃないんだから、そういうわけにもまいりません。売りものにならない野菜くらい、好き放題に食べさせてください。
そもそも、「しまった、失敗した」という料理をシレーとお客様に出すなんてできないでしょ? それとおんなじなんです。いや、まぁ、プロの料理人のみなさんはそういう失敗なんてそうそうなさらないとは思いますが。野菜の場合は一定量、不可抗力で売り物にならないのがどうしてもでてきます。それは「失敗」とは違うんですが、それを売っちゃうようじゃプロとしての沽券にかかわるというものです。
