赤タマネギ、白タマネギ、黄タマネギ
(写真は5月のものです。)そろそろタマネギの定植の準備をはじめなきゃならない時期になってきたんですが、これがなかなか奥が深いというか、いろいろ蘊蓄の材料にこと欠かない野菜なんです。
で、てはじめに、インパクトのありそうなことをひとつご紹介しますと、いまマーケットに出回っているタマネギというのはほとんどがF1(一代交配)の品種なんです。これはほかの野菜もけっこうな割合でF1化されています。F1品種というのは、揃いがいいとか育てやすいとか、いろいろメリットがありまして、営利栽培つまり商売として野菜を栽培するには不可欠というか、これを使わないとオハナシにならないのが現実です。
で、タマネギのF1なんですが、「雄性不稔」という特殊な株をもちいてつくるんだそうです。「雄性不稔」というのはようするに花粉がでないということでして、同じ株の雄しべから雌しべに受粉するということはありえないわけです。なので、別の品種のタマネギを隣に植えておけば、「雄性不稔」株のほうは、自動的に隣の品種と交雑したタネをつけます。
このタマネギの雄性不稔株というのは、ある赤タマネギの品種で発見されまして、それを育種つまり品種の開発に利用してきたわけなんです。ということは、日本でいちばん多く出回っているタマネギは黄タマネギなんですが、じつは赤タマネギの「血」というか遺伝子がはいっているわけなんです。
いえ、赤タマネギを祖先に持っているからどうこうというのはまったくないんですが、ちょっと面白いですよね。まぁ、ハクサイのF1品種なんかも、育種過程のかなり古い段階でキャベツと交配させてあったりしますから、驚くにはあたらないんですが。
ただ、まぁ、タマネギの赤、白、黄色というのは厳然とあるわけでして、純然たる黄色の品種ということになると、「固定種」をつかうことになります。まきもの屋で栽培しているものだと、泉州とかWalla wallaなんかそうです。泉州は一般的なF1とはやっぱり味がちがうんで、「和モノ」とはいえぜひお試しいただきたい品種です。もともとは明治時代に導入されたYellow Danversという品種が土着化したものですから、「西洋野菜」といってもさしつかえないとは思うんですが。