Restaurant

またまたフランス語ネタでご勘弁。「レストラン」という言葉はもともとフランス語である。動詞"restaurer"(修復する/[食事などで]元気をとりもどさせる)の現在分詞が名詞化したものである。だから、"restaurant"というのは、原義に忠実に訳せば、「食事によって元気をとりもどさせる店」ということになる。そもそもこの"restaurant"という語の名詞としての用法は、18世紀だか19世紀に、スープ屋の主人が商品名として「元気回復食」みたいなかんじでつかったのがさいしょだという。それが19世紀のあいだに、「食事をさせる店」の意味でつかわれるようになった。比較的あたらしい語だといっていい。

レストランに食事にいって、料理がおいしくなかったりすると、とても悲しくなる。食い意地のはったまきもの屋にとって、こんなに不幸なことはない。「元気回復」になるどころか、元気がなくなってしまう。"Restaurant"じゃなくて、"décevant"とでも名乗ってほしいくらいである。なにも、とんでもなくおいしいものをいつも期待しているわけじゃない。高級食材とか珍味佳肴とか、そういうことじゃない。値段なりでいいのである。だいたい、まきもの屋はガストロノミーを強調した料理はあんまり好きじゃない。「ビストロめし」のほうが好みである。ただ、"carré d'agneau"が、脂身の処理もほとんどしていなくて、ボソボソになるくらいまで火がとおっていたりすると、不幸になるだけである。個人的には"gigot"のほうが好きなのだが、そんなのメニューにのせている店はあんまりないから、そこまでは求めない。

もちろん、美味しい、美味しくない、というのは主観の問題である。商売なんだから、より多くのお客さんの支持を得たほうがいいにきまっている。そのために、日本風にアレンジすることだって否定しない。でも、葉がやたら厚くてエグいルーコラや「ス」のはいりかかったダイコンやらは、だれが食べたっておいしくないんじゃないか。そういうことである。

« Prev item - Next item »
-------------------

Trackbacks

このエントリにトラックバックはありません
トラックバックは承認制とさせていただいております。このトラックバックURLを使ってこの記事にトラックバックを送ることができます。リンクを右クリックして「URLをコピー」してお使いください。

Comments

No comments yet. You can be the first!

Leave comment