Gratin dauphinois

ジャガイモのグラタンのことである。基本的な材料は、"émincer"したジャガイモ、生クリーム、牛乳、ナツメグ、コショウ、塩、である。ベシャメルなんかつかわない、とてもシンプルな料理だが、WEBでちょっと検索するだけでも、ものすごい数のルセットがみつかる。そのくらいポピュラーな料理である。チーズを入れるルセットもあるが、これは、口うるさい"gratin dauphinois"愛好家からすると、"gratin savoyard"というべきものらしい。

それはともかく、どんなルセットをためしても、ホンモノの味にいっこうにちかづかないのである。味の記憶が美化されてしまっているのだろうか。あるいは、材料がわるいのだろうか。それとも料理のウデがわるいのだろうか。おそらくぜんぶが原因だろう。料理のウデはどうにもならないが、それにもまして材料の問題も重要だと思っている。というか、正直いって材料のせいにしたいのである。だいたい、乳製品の味がちがう。これはどうしようもない。つぎに、ジャガイモの種類がちがう。日本では、ジャガイモの種苗の統制がきびしくて、外国産の種芋はぜったいに手にはいらない。国内では発生していないジャガイモの病気の侵入をふせぐためだから、しかたないのである。だから、"Charlotte"みたいな品種がほしくても、ダメなのである。

近年になって、フランスの会社が育種したいくつかの品種が、正式な手続きを経て日本で種苗販売されるようになった。試してみる価値はある。そんなわけで、いつもタネや資材を買っている業者さんに注文したら、タイミングがちょっと遅かったらしく、どの種苗メーカーをあたっても品切れとの返事。あわてて、別ルートでなんとか手にいれることができた。

"Gratin dauphinois"のはなしにもどすと、小麦粉のような「つなぎ」をまったくつかわないのだが、トロミがついた仕上がりがいい。これは、粉質の、デンプン価のたかい品種をつかえばいい。ただ、こういうジャガイモは、いわゆる「ホクホク」したものだから、歯応えみたいなものはなくなってしまう。しっかり歯応えはほしい。そうなると、粘質の品種をつかうことになる。逆に、トロミはつきにくくなる。このグラタンには、中間くらいの品種がいいんじゃないか、というのがいまのところの推定である。こんかい、試してみるのは「やや粘質」ということだが、「やや」がどの程度なのかはわからない。今度はうまくいくといいな。結果がわかるのは早くても夏以降になる。

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