Ch. Bouscassé

さるお方からワインをいただいた。Château Bouscassé 2003である。 あとで感想をもとめられるだろうから、印象が鮮烈なうちに書いておくことにする。 恥かしながら、飲んだこともなければ、名前もしらなかったワインである。Madiranという、ピレネー近くの産らしい。


さて、ワインそれ自体のはなしのまえに、あわせた料理を書いておく。これを書いているのはとっくに食べてしまったあとなので、写真はない。 ご容赦ねがいたい(そもそも素人料理をネットでさらす趣味はないのである)。前菜はパルマ産生ハム--もちろんスライスしてパックになって売られているやつ-- と、トマト("Lime Green Salad"という完熟で緑のものと"Matina"というドイツ系の赤)を湯むきしてダイスに切り、オリーヴ オイルと塩だけで調味したサラダ。主菜は"poulet rôti"(鶏はブラジル産の冷凍)とジャガイモ(アンデスレッド)、大蒜である。ぜんぶいっしょにオーブンに入れただけである。 鶏には"herbes de Provence"とコショウ、オリーヴオイルをたっぷりかけただけ。あとは食べるときに塩をふった。

ワインのはなしとはかんけいないが、アンデスレッドというジャガイモが、オリーヴオイルと鶏を焼いているときにでてくる油+肉汁を吸いこんで、 じつにおいしかった。正直なところ、こんなにおいしいイモだと思ったことはない。

で、肝心のワインである。抜栓したときにちょっと果実っぽい香りがたったので、そういうものなのかな、と思っていたが、15分ほど"chambrer"してからグラスに注いだら、それほど芳醇な香りとはいえないけれど、落ち着いた香りである。味は、さいしょにそこそこの甘みと、タンニンの渋み、 それから、どっしりとした味わいなのかと思いきや意外と軽やか。生ハムとじつによく合う。もっとも、きらいな言葉だが"mariage"というほど のものではなかった。もしかしたら"boudin noir"あたりなんかものすごくよい組みあわせかも。で、主菜だが、ざんねんながら "poulet rôti"の負け。これはまきもの屋の料理のウデのせいもあるだろう。さて、1時間ほどだろうか、それまで香りも味もほとんど変化しなかったので、そんなにピークがはっきりしないものなのかな と思っていたが、その後、大化けした。香りはそのままなのだが、口あたりがかなりなめらかというかきめ細かくなったのだ。よくワインを云々するときの 「ビロードのような」という表現はあんまりしっくりこない。渋みはそのままだが、 舌にのこるというよりは、どちらかというと硬口蓋にのこる感じ。渋みがすこしあとをひくことにはかわりはないが、渋めのワインも大好きなので その点は歓迎である。ピークになるまでちょっと時間がかかる感じで、ちょっと「のんびりさん」なワインなのだろうか。ただ、大化けしたといっても、 香り以外の口あたりと味わいのはなしなので、派手なかんじはまったくない。べつに「重さ」がでてくるわけでもないので、"Saint Esthèpheあたりとくらべると、味の変化は「まったり」した感じだろうか。このワインはこれくらいの時間でピークがくるから、というのを アタマにいれて食事のペースを調整しながら飲むのもいいが、こういうふうにまったく未知のものだと、驚きがあってまたたのしい。

ピークにいたった味は、まきもの屋の好きなChâteau-neuf du Papeともちょっと似ているかもしれない。こんかいいただいたワインは 「タナ種」が主体ときいていたので、「グルナシュ」の特徴がつよいことのおおいChâteauneuf-du-Papeとくらべるのは的はずれなのかもしれない。 でもそう感じたのだから、これが正直な感想である。いちおうまとめてみると、派手さはぜんぜんないけれど、いってみれば 「オトナ」のためのワインだろうか。ゆっくり時間をかけて、飲みながらニヤリとするワインという印象である。

これを書くにあたって、いちおうネットで検索してみたが、価格比較サイトがでてきておよその値段がわかってしまった。嫌な時代である。 どうでもいいことだが、「ブースカッセ」とカタカナ表記するのがふつうみたいだが、フランス語としては「ブカセ」と読むんじゃないのだろうか。 それはともかく、料理との組みあわせこそ失敗したが、とてもいい時間をすごすことができた。不一。

Posted by makimonoya on 28 July, 2008

« Prev itemNext item »

Comments


No comments yet. You can be the first!

Leave comment