野菜の需給調整

2008年2月1日づけの農水省発表で、九州のダイコンとハクサイの需給調整をおこなうという。 「もったいない」だのなんだのという「消費者」のかたがたからの苦情をうけて、露骨に産地廃棄せずに「新規用途への利用、輸入野菜の代替、飼料、肥料などへの有効利用を図る」ということである。ようするに供給過剰による出荷調整である。


たしかに、2月1日の相場表をみると、ダイコンが千葉、神奈川、徳島産1ケース(10kg)840円、ハクサイ(13kg)は茨城630円、群馬と兵庫が735円である。一般的な規格だとダイコンは10本、ハクサイ6玉での卸値ということになる。ちなみにこの相場表、WEBでは毎日更新されているのでご注意ねがいたい。さらに、この相場表、原則的にはその日の取引のうちの高値を表示するようになっていることも気をつけるべきである。だいたい、相場表の半値以下の品物というのがけっこう多数をしめているのだ。

これが最終的に小売でいくらになるかは、仲卸さんや小売業者がどのくらいマージンをとるかでかわってくるからいちがいにはいえない。ただ、ダイコンが1ケース420円とすると、たいていのばあいは1本100円以下で小売されると思う。

消費者にとってはうれしいことだろうが、ここまで安いと、生産者としては赤字以外のなにものでもない。流通経費がほとんどになるから、1ケース出荷してじっさいに入金されるのは数10円ということになりかねない。原油高騰のご時世、集荷所まではこぶガソリン代でふきとんでしまうといってもおおげさではない。

ちなみに、近所のスーパーではそこまで安くなっていない、ということもあるだろうが、市場外流通とか契約栽培といって、生産者団体や農協と直接取引をしていることもあるから、あらかじめ値段がきめられていたり、市場の相場と連動でも、安値のときに買いたたくと取引を継続できなくなるという事情もある。

野菜というのは「価格弾力性」がきわめてひくい。供給が倍になると半値、あるいはその逆というぐあいにはいかないのである。供給が1割すくなくても市場はとんでもなく高値になるし、その逆もしょっちゅうである。こういうのは経済のしくみというやつだから、まきもの屋がいくら何を言ったってどうにもなるものではない。けれど、上で書いた、あらかじめ値段がきめられている契約栽培だって、ぜんたいが供給過剰のときはオーダーがすくなくなってしまうから、むしろ畑で廃棄される量は多くなるのである。

大産地だと、需給調整が発動されると補助金がでるという。まきもの屋は小規模産地の零細農家だから、そんなものの存在さえきいたことがない。それはともかく、補助金がでるとしたってごく一部で、ほとんどの生産者はやっぱり安値に苦しんでいることにかわりはないのである。あきらめて自主的に廃棄するということもあるだろう。

Posted by makimonoya on 01 February, 2008

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