口はばったいことだが…

西洋野菜の生産を看板に掲げていて、基本的には余所様は余所様、まきもの屋はまきもの屋、というスタンスでやらせていただいている。それでも、いろいろ思うところがないわけではない。

とくに具合がわるいのが、中途半端な理解で栽培されたものが世間にはびこることだ。「オークリーフ」を「フランスレタス」だなんて言ってはいけない。どうしてもフランス野菜だというのであれば、「レチュ・ア・フイユ・ド・シェーヌ・ブロンド」"laitue à feuille de chêne blonde"と表記すべきだろう。そりゃ20世紀初頭のVilmorinのカタログにのっているわけだから、フランス野菜といいたくなるのはわかる。でも、この品種の来歴を知っている者からすれば、あからさまに「大嘘」なのである。それがわかる人間が日本に何人いるのか、となると甚心許ないが、大多数のひとが知らないからといって適当なことを言っていいわけではないはずだ。

セルリアックは断じて「セロリの根っこ」ではない。いわゆるセルリは"Apium graveolens var. dulce"、セルリアックは"Apium graveolens var. rapaceum"、あくまでも別種である。アーティチョークとカルドがそっくりで、植物としては従兄弟みたいなものだけれど、やっぱり別の野菜であるのとおなじだ。すくなくともいわゆるセルリの根は肥大しない。どうしてもというなら「セルリの仲間で、根が肥大する品種」くらいの表現にしてもらいたいものだ。いいかげんな情報が流布しては迷惑である。

まちがった情報、品物が流布すると、かえって普及をさまたげることになりかねないのだ。「ポアロー ジューヌ」はたしかに人気の野菜だが、太さと長さのバランス、曲り、首部にはいりこむ砂etc.の問題はきちんと解決できているのだろうか? 出来のわるい商品がでまわると、 最終的にはマーケットを破壊することになってしまうことくらいおわかりいただけるだろう。

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