というわけで、ブレット(ビエトラ)のキャンペーン、今回は栄養価のはなし
国内でも細々と栽培されてはきているんだが、なかなかマーケットにでまわることのないブレット(ビエトラ)である。まきもの屋はあくまでもヨーロッパ標準でやっているので、葉柄(軸)が白くて幅広の品種を採用している。が、仲卸さんの「意外とブレット(ビエトラ)を知らない料理人さんが多い」というお言葉が、現状を端的に表しているように思う。
そう、まるっきりのマイナー野菜なのである。そりゃ日本の「フダンソウ」だっていまじゃあんまり栽培されていないんだから、しょうがないといえばそうなんだが、すくなくともイタリア料理、フランス料理の世界じゃそれは嬉しくないのである。
イタリア、フランスではほんとうにあたりまえの、ごくごく庶民的な野菜なのである。日本の料理本ではホウレンソウに置きかえちゃっているか、「ホウレンソウで代用」とされていることが多いが、代用はあくまで代用。やっぱりホンモノをお使いいただきたいものである。って言うか、「知らない」って…。
というわけで、栄養価のはなしである。植物としてはホウレンソウの親戚、ビーツの兄弟みたいな「菜っ葉」である。栄養価もホウレンソウと似た特徴がある。以下、ソースはイタリア語版Wikipedia。「茹でたもの、175g中」というなんとも中途半端な数字だが、これは可食部「1カップ」というのをもとにした数字らしい。
- ヴィタミン K:572.80 mcg
- ヴィタミン A:5493.25 IU
- ヴィタミン C:31.50 mg
- マグネシウム:150.50 mg
- マンガン:0.58 mg
- カリウム:960.75 mg
- 鉄:3.96 mg
- ヴィタミン E:3.31 mg
- 食物繊維:3.68 g
- 銅:0.29 mg
- カルシウム:101.50 mg
- トリプトファン:0.03 g
- ヴィタミン B2:0.15 mg
- ヴィタミン B6:0.15 mg
- 蛋白質:3.29 g
- リン:57.75 mg
- ヴィタミン B1:0.06 mg
- 亜鉛:0.58 mg
- 葉酸(ヴィタミンB9):15.05 mcg
- ビオチン(ヴィタミンB7):10.50 mcg
- ヴィタミン B3:0.63 mg
- ヴィタミン B5 :0.29 mg
わかりやすく言うと、ヴィタミンA効力(カロテン)とミネラルが豊富な野菜である。お仲間にしてライバルのホウレンソウとくらべても、けっして遜色ないどころか、一部は勝っていたりする。「健康野菜」と言っちゃってもいいくらいである。ポイントはヴィタミンA(カロテン)が脂融性であること。つまり、油脂を上手につかうことで、ヴィタミンAの吸収が効率よくなるというわけ。
なによりバターやオリーヴオイルといった脂質との相性がバツグンにいい野菜である。脂質は「ダイエットの敵」なんて思われがちだが、必須脂肪酸というのはあるわけで、適度な油を上手く摂取したほうがいいに決まっているのである。
下茹でがちょっと手間だし、夏場、レストランの厨房は灼熱地獄みたいになるらしいから大変かもしれないが、それを補って余りある味、魅力をそなえた素材として自信をもっておすすめさせていただく。下茹でしたものを長時間放置すると色がわるくなることがあるが、これは空気に触れなければ大丈夫なはずなので、真空にかけておくか、タッパーで上手に保管すればオペレーション上もよろしいんではないかと。あと、必殺技、電子レンジという手もある。まぁ、あんまりあけっぴろげに電子レンジをつかうというのはイメージがあんまりよろしくないでしょうが…。いま流行りのIHのほうがよろしいかもしれません。