はねだし野菜のエチュヴェとバヴェットのポワレ
野菜の出荷をすると「はねだし」がでる。いろんな理由-- 傷とか虫喰いとか、サイズとか形状とか--で出荷できないものである。あと、よくやってしまうのが、「とりすぎ」。数をまちがえて余計にとってしまう。こういったものはじぶんで食べるしかない。
今回の「はねだし」はチポロット、チコリア・カタローニャ、フィレンツェ玉葱ミニ、ミニフェンネル。面倒だからぜんぶまとめて鍋に入れて白ワイン少々とバターで蒸し煮にする。で、その上に焼きっぱなしのバヴェットをのっけてみた。またバヴェットかって? 冷凍を一枚まるごと解凍して1週間くらいかけて食べるんだから、しょうがないのである。解凍したてはソースがないとダメだけど、さいごのほうになると焼きっぱなしでもけっこうおいしく食べられる。
本体の野菜のエチュヴェだが、結論からいうと、個々の野菜の評価はできるだろうが、料理としてはダメダメである。家庭料理だからこそ許されるのであって、レストランでこれをやられてはかなわない。だいたい、それぞれの野菜について、最適の加熱時間、温度、調味はみんなちがうはずなのである。あの有名な「ガルグイユ」とか「アルルカン」なんかそうでしょ? 野菜ごとにタイミングをはかりながら別々に下処理したものをひとつの皿に盛りつけるんだから、この「エチュヴェ」は対極にあるといっていい。
モロッコだかどこぞの鍋を本来とはちがった使いかたで野菜の蒸し煮だか蒸し焼きに使用して出すお店があるらしいが、どうもね…。「野菜の旨味を逃がさないようにしました」なんて言われてもぜんぜん説得力がないや。個々の野菜ときちんと向きあっていない、イメージだけの料理みたいな印象がある。旨味をとじこめるのは結構なんだが、香りはどうなるの? ヘタをすると"méli mélo"(メリメロ=ごちゃまぜ)になっちゃう。組みあわせをよく考えないととんでもないことになるはずなんだが…。しかも、ぜーんぶ一緒の加熱時間? それともあらかじめ野菜ごとに下処理をしておくのか? その種の料理をだしているお店がそこまで高度なことをやっているとは思えないし…。
それはともかく、今回のヒットはチポロットとフィレンツェ玉葱ミニ。ミニフェンネルは加熱時間が合っていなかった。エチュヴェにするのにいい野菜なんだが…。チポロットは、諸手をあげて自画自賛したいところ。こりゃ、タマネギの概念をくつがえす食材かもしれない、なんてひとりごちでみる。いまのところ生産がやや不安定で、取引先様からリクエストいただくんだが、なかなか「おまかせ西洋野菜セット」にお入れできないのが心苦しいかぎりである。生産が安定するまでもうすこしお時間をください。
フィレンツェ玉葱のほうは香りがつよいから、おいしいんだけどあんまりたくさん食べられない。家人に1ヶ分のこされてしまった。




