サニーレタス

フランス、イタリアには"サニーレタス"はない。似たものはたくさんあるが、日本の"サニーレタス"とおなじものはない(はず)である。(はず)なんて書きかたをするのは、日本の種苗メーカーの製品がけっこうヨーロッパやUSAで販売されているからである。絶対にない、と言いきることはできないのである。

そもそも、サニーレタスというのは、商品名であって、品種名ではない。1970年代に"Prize head"という葉の赤いリーフレタスをこの商品名で売りだしたのがはじまりである。その後、日本の各種苗メーカーがより赤色の鮮かな品種を育種し、日本独自の発展をしたのである。

サニーレタスによく似たもので、フランスやイタリアにあるのは、"Lollo rossa"、"Brunia" (Vilmorin)あたりが代表的か。ほかにも葉の赤いリーフレタスはいろいろある。後者は日本のサニーとくらべるとちょっと茶色がかっている。"Lollo rossa"は大株にすれば、かなり見ためはかなりサニーレタスと似ている。が、葉先のちぢれが細かく、味もすこし苦いので、やっぱりちがうといっていいと思う。だいいち、サニーレタスよりも色合いはきれいである。日本では「ピンクロッサ」とか「シルクレタス」というわけのわかんない商品名で流通している。

フランスでは日常会話でレタス類のことを"laitue"というよりは"salade"ということのほうが多い。料理としての「サラダ」ではなく「サラダ菜」の意味に理解するといいだろう。「サラダ菜」という商品名じたいが、フランス語の"salade"からきているのである。「サラダ菜」はバターヘッド・タイプのことである。ほんらい結球するのだが、日本では結球まえの株を若どりする。だから、結球野菜であることは意外と知られていない。フランスでは、レタスのなかでいちばんポピュラーなのがこのバターヘッド・タイプである。日本のサラダ菜は緑色のものばかりだが、赤くなるものもある。そういえば、赤いバターヘッドのことを「マロンレタス」などとよんで、「サニーレタスとサラダ菜を交配してできた玉チシャの一種」などと大嘘の解説をしている本があった。だが、そんな交配をするまでもなく、すくなくとも20世紀はじめには、赤いバターヘッドレタスは存在していたのである。

いちど、写真つきでレタス類のいろんなタイプを解説すればいいのかもしれないが、まきもの屋は営業用としてはクリスプヘッド(=玉レタス)とサニーレタスしかつくらないし、自家用でも全タイプを網羅しているわけではないから、ちょっとむずかしいかもしれない。葉先が赤くなるクリスプヘッドというがあるが、これは栽培していない。あと、商品名フリルレタスもつくっていない。自家用は「食べたいもの」だから、たんなる好ききらいの結果である。

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